骨髄で作られる血液細胞たち

 本日のまとめの結論から申し上げれば、全ての血液細胞は骨の中で造られることを知っていただきたいことです。。そして今回のまとめのもう一つの目的は、血液細胞のメンバーたちの名前をご紹介する事です。名前の紹介だけで個々の血液細胞の詳しい説明までは触れません。あまりにも複雑で、一度にまとめきれる内容ではないからです。今後、各血液細胞ごとに特徴や役割を順次まとめていく予定です。

骨の構造

 『骨』といえば、単純に硬い棒状のもので、体を支えるための支柱を連想すると思います。実際の骨は上の図のように、実に複雑な構造をしています。まず、骨の構造は3つの層から形成されています。一番外側は、骨の表面を覆っている骨膜、その内側はカルシウムやリンで構成された硬い皮質骨です。体を支えてくれているのは、この硬い皮質骨です。皮質骨の内側に、骨髄を含む海綿骨があります。海綿骨は小さな骨が合わさりあって構成されていて、隙間だらけの構造をしています。海綿骨には、骨の代謝に必要な栄養物を運搬する栄養血管が骨髄内部まで入り込んでいます。

 全ての血液細胞は海綿骨の中で造られます。血液細胞は身体の防衛のための様々な役割をしていますから、その役割に応じて多くの種類の血液細胞が存在します。下の図には代表的な血液細胞を並べてみました。酸素を運搬する赤血球、けがをして出血した時に、血液を凝固させる働きのある血小板、そして白血球です。

おもな血液細胞

 白血球はさらに役割や特徴によって細かく分類されています。白血球の中で最も数が多く、感染初期に活躍する『好中球』、アレルギー時や寄生虫感染時に増える『好酸球』、ヒスタミンという痒みの原因となる物質を持った『好塩基性球』。好中球、好酸球、好塩基性球は内部に顆粒’(図にも示した小さな粒)を持っていることから、『顆粒球』と呼ばれています。

 単球は、炎症時にマクロファージというアメーバ状の細胞に変化し、感染の局所まで移動し、雑菌を食べて殺してくれます。この、雑菌を食べることを貪食(どんしょく)と呼びます。好中球も貪食をするのですが、マクロファージの食欲は好中球よりはるかに旺盛で、大量の細菌を貪食して殺してくれます。

 リンパ球の特徴は、攻撃相手を執念深く記憶している点です。例えば、基本的に水疱瘡は一度かかれば、もう感染することはありません。これは、一度感染した水疱瘡の原因ウィルスをリンパ球が覚えていて、もし2回目以降、身体に侵入してき手も、速やかに殺してくれるからなのです。

 リンパ球は大きく二種類に分類されます。T細胞とB細胞です。T細胞は自ら現場に出向き、癌細胞などの異物を直接攻撃します。細胞が細胞を攻撃するので『細胞性免疫』といいます。それに対し、B細胞は抗体を作って生体防御を担っています。抗体は血液を通って現場まで運ばれますから『液性免疫』と呼ばれています。

 下に図を示しましたが、それら全ての血液細胞が、海綿骨の骨髄に赤色骨髄という部分があり、赤色骨髄に造血幹細胞がいます。この赤色骨髄で造血幹細胞から、赤血球も、白血球も血小板も全ての血液細胞が作り出されるのです。

血液細胞が作られる赤色骨髄

 下の図は造血幹細胞から血液細胞が分化する様子を系統化したものです。図の下に行けば行くほど分化した細胞です。この図でさへ複雑に感じるでしょうが、実際にはこの図で示した細胞よりも、もっと多くの異なる種類の白血球の存在が報告されています。それどころか、まだまだ新しい種類の白血球が見つかっている最中です。つまり、白血球が担っている免疫という研究領域はまだまだ解明されていないことだらけなのです。

血液細胞の分化

 一種類の造血幹細胞からこんなにも多くの種類の血液細胞が造りだされています。そして、各々の血液細胞は血管を通って、必要な場所まで運ばれます。そして、各々の血液細胞や役割に特殊性を持っており、構造も全く異なっています。次回以降は、白血球の中で最も多い好中球に関してまとめるつもりです。

血液細胞は血管を通って必要な場所へと運ばれる。

 今日は、『病気がみえる5 血液』を紹介します。本来、看護師さんの学習用にまとめられた本なのですが、図も綺麗で説明も丁寧なので、血液に興味のある方なら馴染みやすい本だと思います。



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